
「佐藤研Make部(仮)」は、JAIST佐藤研のものづくりサークルです。この研究室内サークルは、Maker Faire(Maker Faire Tokyo/Kyotoなど)やNT系(JAISTに近い場所でいうとNT金沢など)などのものづくり系展示イベントに「自分の研究を作品として出展する」活動を行うために設立されました!(Make部の設立は2025年ですが、この活動自体は設立時から存在します。)
ものづくりが大好きなMakerの皆さま、是非佐藤研で一緒に楽しくものづくりしましょう!
「Demo or Die」の精神
MIT Media Labに「Demo or Die」という格言がありました。もはや古語なので様々な受け取り方や解釈が存在していると思いますが、意味としては「ただアイディアを考えるだけ、理屈で説明するだけでなく、まずは「デモしろ(動かして見せろ)」、と捉えてもらって問題ないと思います。技術系のHCI分野ではこの言葉はずっと大切にされてきており、HCIの国際会議ACM UISTや国内のそれに相当する日本ソフトウェア科学会WISSでも「動くデモ(デモがちゃんと実装されていて、体験できるようになっているか)」が重要視されている根底にはこの考え方があると考えます。
佐藤研での「Demo or Die」の精神
佐藤研でもこの「Demo or Die」の精神を重要視しています。特に佐藤研では、「Demo or Die」を「研究の楽しさ」を知る(気づく)ための必要不可欠な要素として、次のように2つの意味を込めてとらえています。
その1. 佐藤研的技術系HCI研究の楽しさの第一は、「Demoを作ること」です。つまり研究の1つのプロセスである「プロトタイピング(試作開発)」のプロセスにあります。
「物を作る」ということは、非常に大変なプロセスです。一筋縄ではいかない部分も多々あり、時間も手間もかかり、失敗もあります。しかし、技術系HCI研究ではこのプロセスと必ず向き合う必要があり、試行錯誤を重ね問題を解決し、Demoを作り上げアイディアを具現化する必要があります。

その2. 佐藤研的HCI研究の楽しさの第二は、「Demoすること」(実機を動かして体験してもらうこと)です。苦労して考え、頑張って作った自分の研究(作品)も、人に見せ(発表し)ないとただの自己満足で終わってしまいます。Demoするということの重要性は、単に発表業績が増えるということもありますが、それ以上に「人に見せて」、「共感される」ことで、最終的にこれまでの苦労が「報われる」ことにあると考えます。この瞬間の達成感は最高に気持の良いもので、不思議なことにただ苦労が±ゼロに戻るだけでなく、また新しいことをやりたくなる、また作って発表したくなるような研究モチベーションの超回復も起こります。

研究の世界はシビアな部分が多々あり、ただ面白おかしいだけの世界ではありません。しかし、Demoを作るプロセスを楽しく乗り越えられ、また技術的にも成長し、それを様々な人に見せて触って共感してもらうことで研究の苦労が報われ、また新しいものづくりがやりたくなる。このループをまわすことができれば、研究者として業績を積む以上に、佐藤研的技術系HCI研究は「最高のものづくり系の趣味」にも成り得ると考えます。
デモの場としての学会
研究室の発表の場は、基本的には学会です。特にHCI系の学会にはデモ部門があり、それらに採択されることでデモの機会も得ることができます。また学会によっては、例えば国際会議のACM SIGGRAPH ETechやACM CHI Interactivity、Laval Virtualのように、より高いレベルの完成度、長期間の展示時間が求められる展示部門にチャレンジできる場合もあり、研究室では、新しい研究を立ち上げた場合、まずこのような学会のデモ・展示部門への採択を目指してプロトタイピングを行います。
一方で、デモの機会としての学会は、いくつかのデメリットもあります。例えば高額な参加費を払わないと参加できないClosedなイベントであり、参加者もその分野の専門家(研究者)である先生や学生に限られます。つまり、子供達を含めた一般の方に広くデモする場ではないということです。また、基本的に最初のプロトタイプを急いで発表する場になってしまうので、デモを十分に作り込む余裕はなく、学会で求められる研究の本質部分をなんとかギリギリ実装できた段階で発表することになってしまいがちです。そのため、最初のデモのクオリティは低いものになりがちです(もちろん、学会のデモでも素晴らしく作り込まれたデモを発表される研究室もあります)。
あらためて、佐藤研Make部
そこで佐藤研では、先に述べた佐藤研的「Demo or Die」の2つの構成要素から生まれる研究のループ効果を高めるため、学会以外のデモの場として、より高いクオリティのデモが求められるMaker FaireやNT系のものづくり系イベントデモや科学博物館・美術館などでの展示機会にも積極的にチャレンジすることにしました。
佐藤研では、学会のデモ等に向けた最初の試作で満足せずに、より高いクオリティのハード/ソフトウェア、また遊べるキラーアプリを実装したセカンドプロトタイプ(さらにそれ以降)の開発も推奨しています。もちろん、そこには実装技術のみならず、研究で尖らせたコンセプト/ビジョンが背景にあるため、唯一無二の作品として多くの人を楽しませ、高い共感を得ることができるはずです。
これを見ているみなさん、佐藤研で研究スキルとMakerスキルを高め、Maker Faireでものづくりガチ勢をうならせてみようと思いませんか?

