佐藤研の研究・入試・配属Q&A

  • Q: 自分の考えたテーマで研究できますか?
    A: 研究テーマ決定プロセスは、学生の本質的な興味をベースに、それに関する過去の研究の動向を調べ、教員および先輩等との議論により最終的に決定されます。 そのため最初の希望の通りになるというよりも、その希望やこだわりの延長線上にある着地点を見つけ、太い研究テーマを生み出すための議論を教員と学生が一緒に行います。そのためにも、最初の段階でやりたいテーマが具体的にあることは大変素晴らしいことです。
  • Q: エンタテインメント(ゲーム)研究はできますか?ゲームは作れますか?
    A: エンタテインメントの研究はもちろんできます。大歓迎です。ゲームを作るのが好き(or強い興味がある)な方も歓迎します。佐藤研究室では、Human-Computer Interactionの知識・技術を武器に研究成果をEntertainment Computing系の学会で発表したり、時には東京ゲームショウに出展したりすることもあります。ただ、あくまで佐藤研究室の軸足はHuman-Computer Interactionに置いていることも強調しておく必要があります。
    ビデオゲームの楽しさには、グラフィックスや音楽、ルール、ストーリー等々、様々な要素があります。その中でも、特に佐藤研ではゲームにおける入力デバイスと出力デバイスの可能性に注目し、それらを新しくすることで人を楽しませる「新しいゲーム体験」を創造し、人を楽しませるアプローチを目指します。
     佐藤研では、佐藤研独自の視点で新しいディスプレイ・インタフェース技術を研究し、それを基にこれまでにない体験が可能な新しいインタラクティブディスプレイのプラットフォームを提案します。そして、そのアプリケーションの一つとしてエンタテインメント応用、つまりゲームアプリケーションも開発するということです(もちろんエンタメ以外も視野に入れます)。
    佐藤研究室はコンテンツの提供を行うゲームソフトメーカーではなく、「人を楽しませること」をHCIを軸足に学問的に探究し、それを土台とした新しいエンタテインメント体験を創造・提案していきます。さらにそのアイディアを自社ハードウェアとして実装し、その上で動くゲームソフトウェアも開発している、例えるならば、任天堂のような研究室だと思ってください。
  • Q: メディアアートはやれますか?
    A: プロジェクションマッピング等で美しいグラフィックスを表示することなどに興味があるのであれば、佐藤研究室でHCIやEntertainment Computingの文脈のもとにいくらでもチャレンジできると思います。
  • Q: メディアアートの最新の研究ができますか?
    A: はい。ただ、気を付けないといけない点として「研究テーマとしてメディアアートをやりたい」 場合は、アート(メディアアート分野)の文脈で研究的な価値(新規性・有用性等)を持たせる(可能であればアートの分野でアウトプットする)必要があるということです。ただ、佐藤にはメディアアートのバックグラウンドがないため(専門ではないということです)、これを担保するためにメディアアートを専門とする先生に研究メンバ(主指導教員は佐藤固定なので外部副指導教員的な感じ)として入っていただく必要があると考えます。
     そこで佐藤研では、近いメディアアートを専門とする著名な先生方とのコラボレーションを行うことで、佐藤研の強みである最新のインタラクティブディスプレイ技術を活かしたメディアアートの最新の研究ができる体制を作ることにしています。
  • Q: 佐藤研はテレビやパソコンのディスプレイを専門に作っている研究室ですか?
    A: 佐藤研はテレビやパソコンの液晶ディスプレイなどを作っている研究室ではありません。紹介文に「ディスプレイ」という単語がよく現れるので勘違いされることがあるのですが、佐藤研的に「ディスプレイ」というのは広い意味でのコンピュータの出力装置であり、視覚や聴覚のみならず五感全てを対象に様々な情報を提示するための様々なディスプレイを指します。また「ものづくり」という言葉もよく勘違いされるのですが、佐藤研は製造業関係の研究室ではなく、佐藤研的な「ものづくり」という単語の意味は、プログラミングや電子工作などを使うソフトウェア・ハードウェアをまたいだ「試作開発(プロトタイピング)」という意味でとらえてもらえると助かります。
    ちなみに、ハードウェア寄りの研究室だとも思われがちですが、電子電気系を専門にしている研究室ではなく、どちらかというとソフト寄りではないかと思います。
  • Q: プログラミングや電子工作が未経験ですが、大丈夫ですか?
    A: 佐藤研究室の研究プロセスでは、プログラミングを使って物(ソフトウェア・ハードウェア両方)を作るということは避けられません。ですので、プログラミングが苦手でこれまで避けてこられた方の配属はあまりお勧めしていません。
    なお、現時点では配属時にプログラミングや電子工作のスキルを問うことはありません(もちろん、スキルがある方は歓迎します)。ただ、テーマ決定後等に必要に応じて身に着けていく必要があるため、学ぶための努力をする意思があるかどうかは見極めます。もちろん、入門においては可能な限りのサポートは行いますし、配属後の教育体制も毎年改良を重ねています。また、佐藤研では研究はチームワークで取り組みまので、日ごろの研究生活においては信頼できる仲間からのサポート(もちろん実装面でも)が期待できます。
  • Q: プログラミングや電子工作が得意ですが、どんなアドバンテージがありますか?
    A: 佐藤研究室はものづくり技術を持っていない学生さんでもものづくりをゼロから学べる機会を設けています。ただ、プログラミングや電子工作、筐体設計(3DCAD)などなど、すでにこれらの技術をある程度習得していたり、趣味やサークル活動等で様々なものを作ったりしてきた方には、持てる技術を120%活かせるうえに、様々なアドバンテージがあります。まず、講習会の前半部分をスキップできるため、その期間を活用して研究テーマを決めてしまうことが可能です。また、テーマ決定後の試作プロセスにもスムースに移行できるでしょう。また、HCIの研究では「ものづくり以外の技術」も様々必要となることから、それらも併せて学ぶことは、ものづくりができる人にとっては特に意味があることだとも考えます。
       そもそも、佐藤研究室でのものづくりは「完成すれば世界最先端(世界初)となる技術」を自分の手で具現化することにほかなりません。自分の持てる技術を120%活かして取り組むこの試作プロセスは寝食を忘れるほど楽しいものです。さらに作ったものを対外的に発表する機会は沢山あり、そこで評価されればまた新しいものが作りたくなるという連鎖が生まれます。一度この状態の楽しさを知ってしまえば、新しい技術の習得も全く苦ではなくなるため、研究者としてのスキルと同時に技術者としてのスキルも格段に伸びていきます。佐藤研究室ではこの連鎖を作り出すことが重要だと考え、様々な専門的なサポートを様々提供していきます。
  • Q: 研究室のコアタイムはある?
    A: コアタイムは定めていません。24時間365日、好きな時に研究を進めてください(Fabや図書館などなど、JAISTの施設も24時間365日活用できるようになっています)。授業などに加え最低週1回の研究室ミーティングでの成果発表ができれば、いつ研究しても、いつ休んでもかまいません。(ただ、個人的な予定を入れる場合は研究室の行事(主にミーティング)を最優先にして他の人に迷惑がかからないようにお願いします。)
  • Q: 研究室内外のイベントは?
    A: 定期的に行っているイベントは、週1回の進捗報告がありますが、これに加え毎月末に1か月間の研究成果をデモを動かしながら行う「デモ発表会」があります。デモ発表会は皆で食事を作ったり、東京とオンラインで繋いだりしながら楽しく開催されます。
    また、年2回(夏・冬)の合宿イベントが企画されます。これに加え、不定期にはく山麓や能登等の北陸の自然のある場所に車で出かけるイベントが企画されることが多々あります(焚火・キャンプ等)。また、最近では週に何度か、朝に皆で一緒に朝食を食べながら雑談する朝食会等も学生提案がもとで実行されています。
  • Q: 修了要件は?
    A: 修了に必要な単位の取得と副テーマ、研究計画書の提出、修士論文を書くことなど以外に佐藤研的に設けた要件は特にないですが、初年度末に1回のポスター発表、2年目に最低1回の対外発表(口頭発表)ができれば修了は安泰だと思います。
  • Q: 佐藤研究室に入りたいんですけど(JAIST入学前の学生さん向け)
    A: 佐藤研の新メンバーには、佐藤と事前に十分にお話しする時間をもうけ、JAISTや佐藤研について知ってもらった後に佐藤研配属の意思をかためてもらい、双方で配属の合意を作ったうえでJAISTを受験してもらうことが一番の理想(双方にとって一番のメリット)であると考えています。そのため、佐藤研への進学に興味を持たれた方は、是非一度、直接(オンラインでも可)会いに来ていただければと思っています。
       まずは佐藤宛にメールを送っていただければ、お話する時間を設定いたします。オープンキャンパス等で設定されている個別面談の機会でもかまいません。なお、その際は佐藤研の研究テーマについてこのホームページ等で確認していただき、そのうえで自分がやりたいことの大まかなイメージを頭の中に思い浮かべてきていただけるとお話がスムースに進むかと思います。また必要であれば、是非下記制度の活用も検討してください。
  • Q: 特別選抜入試・配属研究室入学前内定制度について
    A: 研究室の受け入れ可能人数の上限(定員)の関係で、佐藤研を第一志望にJAISTを受験しても、JAIST入学後に佐藤研究室に配属されない可能性もあります。これは可能な限り避けていきたいと考えていますので、佐藤研究室への志望がより明確な場合は(事前に双方合意のうえ)、随時特別選抜」や「推薦入学特別選抜での受験や、合格後の「入学前の配属内定制度」の活用を目指していければと思います。入学前の配属内定があると、4月にJAIST入学後、すぐに研究室での研究がスタートできる等のメリットもあります。
       なお、これらの制度の使用の可否は、佐藤研の研究テーマとの相性や、志望の明確さ、過去の取り組み等々をもとに面談で決定することになっていますので、希望すれば必ず使用できるわけではありません。これについても直接佐藤にご相談ください(次の質問等も参照してください)。
        なお、これらの内定制度を使用しないと佐藤研に配属されないというわけではなく、ケースバイケースですので相談してください(ただ、佐藤との事前コンタクトを行わなかった場合は、配属される確率はかなり低くなると思われます)。また、これらの制度の使用にも枠に限りがあるため、年度後半になると使用できない可能性もあり、可能な限り早めにご相談ください(他の大学院と併願する場合は、他の大学院の結果が出た後にご相談ください)。
  • Q: 配属時の面談や特別選抜入試出願前の面談で有利になることは?
    A: 様々あります。大学での勉強や研究以外で一例を挙げれば、例えば課外活動(趣味のものづくりやサークルでの制作物、ロボコンやコンテストへのチャレンジ等)はとても高く評価したいです。長く(一つのことにこだわりを持って継続的に)取り組んでいることや、ものづくり趣味(プログラミング、電子工作、木工、芸術、手芸、料理、etc…)もあれば是非教えてください。
  • Q: コロナの影響は?
    A: 自然の中にあるというJAISTの立地や、できたばかりの研究室でもともと少人数であることも大きいですが、佐藤研究室では十分な感染防止対策を行いつつ、コロナ禍の大学院生活・研究活動への影響を最小限に抑えることができています。同期の顔も見れない、研究室にも入れないようなケースも多いなか、佐藤研究室ではミーティング、研究室を使った普段の開発作業、学生間コミュニケーション等も含めて全て通常通り(オフラインで)行うことができています。もちろん、場合によってはオンラインでのミーティングも行いますが(授業は全てオンラインで受講可能)、コロナ禍でも普段と変わらないオフラインベースの充実した大学院生活・研究活動・交友関係も継続できる研究室環境を目指しています。
      なお、コロナウイルス拡散の影響で、大学院進学を考える学生さんが増えるのではないかと考えています。そのため、研究室配属のための倍率が高まる可能性もあります。もし佐藤研を第一志望に考える方は、是非事前にご相談ください。

その他、疑問点などがあれば

 是非、随時メール(tsato@jaist…)等やオープンキャンパス等で直接ご相談ください。JAISTの様々な制度を使えば、遠方の方も直接お話をする機会を作りやすくなると思います。