佐藤研究室では、その主な研究指導方針として、修士2年間で修士論文の執筆を目標とした研究指導を行うのではなく、「対外的な研究成果発表(国内外での学会発表)を目標とした研究指導」を行っていきます。そのため、下記のような独自の指導方針・スケジュール間で前のめりな研究指導を行っていきます。
- 早期の研究室配属: 佐藤研究室への配属(内々定の発表)は4月頭に行います
JAISTは大学院大学であり、研究は修士1年目からのスタートとなります。つまり、修士で修了(博士に進学しないと)する場合、研究期間はたった2年間しかありません。さらに、授業や就活で、実質的に研究に割ける時間はさらに短くなってしまいます。
さらに、(一般的な大学院大学でもそうですが)JAISTでは、4月に入学後数か月間は、「研究室選び」のための期間が存在し、最終的に研究室への配属が決定するのは6月後半になってしまいます。
そこで佐藤研究室では、4月から研究をスタートし短い2年間を最大限活用できるように、早くて3月中、遅くても4月頭までには配属内定(内々定)を出しす試みを行っています。また内々定を出した学生さんに対しては、研究室に机を作る、アイディア出しをスタートさせる等、すぐに研究ができる環境を提供し、研究のスタートをバックアップしています。 - 早期に研究テーマを決定します
配属と同時に研究テーマを決定する議論を教員・学生(先輩含む)とで集中的に行い、4月時点で研究テーマとその道筋を大方決めてしまいます。これにより、早くて4月後半には楽しいプロトタイピングやより深い議論が可能な段階に入ることができます。
ちなみに、研究テーマは学生の趣味や興味をベースに教員とディスカッション(雑談)を重ねることで決定します。日頃の趣味やこだわりが、面白い研究テーマに繋がるかもしれません。また研究も、短期でのプロトタイピングと、プロトタイプを活かした踏み込んだ議論を、教員と学生が日常的に繰り返えし行っていくことで早いペースで進んでいきます。
- 修士1年目の段階での対外発表を目指します
プロトタイプと学生・教員間で積み重ねた議論による深い考察を武器に、修士1年目早期の段階での対外発表を目指します。対外発表は、例えば8月(登壇発表)や10月頃(デモ・ポスター発表)に締め切りのある「日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS)」(12月頭に開催)や、クリスマス頃にデモ・ポスター発表の締め切りがある「情報処理学会インタラクションシンポジウム」(翌年3月発表)等での発表等を最初の目標に掲げています。また、実装が得意な学生さんであれば、8月のSIGGRAPH、10月のUIST等のHCIの海外トップカンファレンスのデモ・ポスター部門への投稿もすすめています。 - 修士1年目で修士論文研究のほとんどを終わらせます
上記のような1年目での対外発表を目標とすることで、1年目の年末年始頃には研究の議論が深まり、年度末にはプロトタイプの質も高まり、さらに対外発表実績が得られます。ここまで至れば、修士1年目で修士研究の最終的な実機を用いた評価実験が可能になる段階、つまり修士論文執筆のための研究の終わりが見えてきた段階に至ることができるということです。また、国内外の学会でのFull Paper発表や論文誌論文の執筆に向けた準備も、十分な余裕をもって可能になります。 - 1~1.5年での前期課程の早期修了(飛び級)・博士後期課程進学を積極的に目指します
通常2年間の修士の研究期間を1年~半年間短縮し、1~1.5年での飛び級修了を目指します(これを行うためには、修士1年目に短縮申請の申請書の提出が必要)。短縮終了は容易ではないですが、是非チャレンジしてみてください。例えば、学部時代のサークル活動等で培ったソフトand/orハードの実装能力があったりすると、とても狙いやすくなります。また、既に学部時代にHCI分野での研究実績がある場合も、それを活かす発展的な研究テーマの設定と1年目の5月、6月段階からの対外発表への挑戦を行ったりすることで十分可能になると考えます。さらに、電通大IML等での学部のサークル活動としての活動実績も同様に活かしつつ対外発表実績の獲得を積極的に狙い、学位取得までの期間の短縮を狙う方法もあります。
ですので、現時点で学部1~3年生の皆さんで、ものづくりが得意な方等は、研究分野変更や早期の大学院修了(and/or 博士学位取得)を狙える可能性が高いため、是非一度佐藤までご相談ください。
博士後期課程への進学を検討している学生さんは、1年~半年早い博士後期課程への進学も目指せます。また、もちろん日本学術振興会特別研究員(所謂、「学振」)DC1/DC2への採択を目指します。
ちなみに、佐藤研究室では機会があれば積極的に他大学(例えば東京工業大学や電気通信大学、武蔵野美術大学等)の学生さん達と連携して研究を進めていきます。その都度、石川-東京間を行き来する機会もあるでしょう。