専門分野・関連する学会

佐藤研究室の専門分野

 佐藤研究室が軸足とする専門分野はHuman-Computer Interaction (HCI)です。コンピュータを介した人と情報、人とモノ、人と人とのより自然な対話を目指す分野で、佐藤研究室では特にコンピュータの出力手法(ディスプレイ)と入力手法(インタフェース)が主な研究対象になっています。

佐藤研究室的Human-Computer Interaction研究とは?

 ・・・といってもHCIは様々な分野の専門家が多種多様な方法で研究を行っている非常に広い分野です。その中で佐藤研究室的HCI研究がどういうものかというと、佐藤が育ってきた情報系技術や試作開発技術を武器(強み)とし、HCIを軸足に「これまでにない表現が可能な未来の対話型ディスプレイを実現する技術や、それらのディスプレイとのより自然な対話を可能とする新しい入力技術」をゼロから創造、さらに試作・評価することであると言えます。

具体的に言うと、佐藤研の研究は「既存のディスプレイ装置(市販のLCDやスマホ、VR/ARゴーグル等々)をそのまま用いたアプリケーション提案型研究」よりも、主に「ディスプレイそのものの表現能力の拡張に焦点をあてたプラットフォーム提案型研究」を最大の特徴としています。そのため、佐藤研では独自の視点で全く新しい対話要素を持つ未来のディスプレイ(アプリケーション提案型研究のプラットフォームとなるディスプレイ自体)をゼロから提案・試作・評価します。さらに、その新しい体験プラットフォーム上でのアプリケーションの試作・評価まで行います。ゲーム業界で例えるなら、ゲームだけ作っているソフトウェアメーカーではなく、ゲームプラットフォーム自体を提案し、その上で動くゲームも開発している任天堂のようなイメージが近いと思います。

佐藤研とHuman-Computer Interactionと「知識科学」

佐藤研究室は、JAISTにある3つの学位の中でも一番ユニークな分野といえる、「知識科学」という学系に属しています。この知識科学系は、「「知識創造」という切り口で自然科学、社会科学や人文科学の各分野の学問を融合し、知識の創造・蓄積・活用のメカニズムの探求と、未来社会のデザインを目指します。」とあるように、我々の中にある「知識」に焦点を当てた新しい学問分野です。

「知識科学」と初めて聞いて、「なにそれ美味しいの?」と思われる方も多いかもしれません。かくいう私(佐藤)も、2019年にJAISTに着任した当初は、「なぜHCIをやってきた私が知識科学系なのか?」と、何度も自問自答した覚えがあります。
しかし、「情報科学」の分野のような計算機の中だけの問題ではなく、HCIの分野では、それを使う「人」に焦点を当てることが重要です。特に佐藤研が行っている、だれもが説明要らずで対話できる新しいディスプレイ/インタフェースを創造するためには、つまり「ワクワク」するディスプレイ体験をゼロから創造するためには、この知識科学の分野で体系化されてきた暗黙知を形式知化する知識創造プロセスが非常に重要であることに気づきました。

知識科学の知見は、現在では佐藤研での研究アイディア創造、つまりHCI分野での佐藤研的研究テーマのアイディア出しに大いに活用されており、佐藤研のディスプレイが徳治かつ面白いのは、まさに知識科学に基づく独自の視点でデザインを行っているからともいえます。(ここに気づけたのも、橋本敬先生の知識科学概論の授業で、知識科学という視点で自分の研究を見つめ直す機会があったためだと思います。)

え、それは何か教えろって?それは秘密です!(入ってきてからのお楽しみ)

「VR(Virtual Reality)」と「AR(Augmented Reality)」、どちらが好きですか?

我々がいる現実世界とコンピュータの中にある情報世界(仮想世界・サイバー空間)は連続的には繋がってはおらず、我々はコンピュータのディスプレイや入力装置(タッチスクリーンやキーボード等)を介してしか情報世界を覗き見る(介入する)ことはできませんでした。この2つの世界とのギャップを埋めよう(自由に行き来できるようにしよう)というのが、HCI研究の最大のモチベーションでもあります。そして、これを実現するために、表題にあるような2つの大きなアプローチが存在します。
一つが、「仮想世界側へ我々が出かけていく」VR的なアプローチです。現実世界のルール(物理世界や社会規則)に縛られず、空を飛んだり女の子になったりもできる自由な世界を開拓したい方などは、このアプローチがしっくりくるのではないでしょうか。
 もう一つが、「仮想世界側から我々の住む実世界に情報が来てくれる」AR的なアプローチです。我々(祖先から)がずっと暮らしてきた世界ですが、まだまだ解明されていない謎が多く残されています。この実世界の奥深さが好きな人は、実世界に軸足を置いたこのアプローチが好きかもしれません。
最近は「xR」などと、ひとくくりにされることも増えてきましたが、実はこれらの2つのアプローチは対極に位置する考え方ともいえます。さて皆さんはどちらが好きでしょうか?どちらも、と思われる方も多いかと思いますが、是非一度皆さんの「こだわり」に意識も向け、考えてみてください(是非佐藤研に入って一緒に考えましょう!)。

関連する主な学会・会議

・国内(主に学部生や修士の学生さんが最初に発表する学会という位置づけ)
 ・情報処理学会シンポジウム インタラクション
 ・ 日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS)
 ・ 情報処理学会シンポジウム エンタテインメントコンピューティング

・国外(修士~博士後期課程の学生さん向け)
 ・ACM Symposium on User Interface Software and Technology(UIST)
 ・ACM SIGGRAPH / SIGGRAPH Asia conferences
 ・ACM ISS(International Conference on Interactive Surfaces and Spaces)