配属を希望する皆さんへ(JAIST入学前の方向け)

 佐藤研究室に興味をもって頂きありがとうございます。佐藤研究室では、様々なバックグラウンドを持つ学生さんを、日本全国から募集しています。まだ立ち上がったばかりの研究室ですが、是非一緒にJAISTでの楽しい研究生活を共にしましょう!

以下は、佐藤研究室で大学院生活(博士前期)を送ることを検討している皆さんへの佐藤からのメッセージです。(後期課程については別途ご相談下さい。)

はじめに

 佐藤研究室の過去の研究テーマや、HCI(Human-Computer Interaction)分野、AR/VR (Augmented Reality/Virtual Reality)、Entertainment Computing、インタラクティブアート等の最新技術に深い興味を持ち、それらを眺めるだけでは満足できず、「自分でも作ってみたい」という思いが胸にある方であれば、佐藤研究室で十分楽しくやっていけると思います。(各研究プロジェクトの紹介についてはこちらをご覧ください。是非自分が興味のあるプロジェクトをさがしてみてください。)

 楽しい研究やものづくりに没頭するためには、当然ながら「十分な時間」が必要です。大学院修士は2年間しかなく、できるだけその多くを「好きな研究をとことんやる時間 」 として使ってもらいたいと思っています。研究者や技術者にとって、寝食を忘れ自分の好きなことに没頭している時間ほど幸せな時間はありません。またその瞬間は、まさに自分が飛躍的に成長している瞬間でもあります。佐藤研究室は、研究室に配属された全員に、そのような瞬間が訪れることを切に願い、様々な機会(チャンス)を提供していきます。
 JAISTの研究環境は、周囲の自然環境などの住環境を含め、これを実現するために特化された素晴らしい環境だと言えます。2年間は長いようで短かったと思えるくらいJAISTで楽しい研究生活に没頭することができれば、その2年間はあなたの人生を変えるには十分な時間であることでしょう。
   なお、JAISTを修了して就職を選んだ人で、地元の石川県に残る人はほぼいません。みな東京や大阪などなどの名だたる企業に就職(or進学)していきます。つまり、JAISTは大学院大学であり、2年間短期集中的に研究できる最高の環境(田舎にあることはむしろプラス)を提供し、そこで得た実績をもって大きく旅立ってもらうための尖った大学院だということです。地元的にどうかは別として、私はそれでいい(むしろそこが売りだ)と思っています。

研究を始めるのに必要な知識・能力

 基本的に、研究に必要な技術や知識は、研究テーマ決定後に自分の目標を意識しながら、必要に応じて勉強し身につけていきます。そのため配属前の過去の技術的な経験は基本的に問いません。また、異分野の様々な知識を持っている学生さんは大いに歓迎します。JAISTは独立した大学院大学であり、大学院から自分の専門テーマを変えようとしている学生さんも歓迎しています(JAISTでもは、そのような学生さんをサポートする制度もあります)。

 ただ、一つだけ注意する点があるとすると、佐藤研究室は「物を作る研究室」です。もちろん、物を作る研究しかしないという意味ではありません。しかし、基本的に新しい物を考え、作ることから研究がスタートします。そのため、「 手を動かして、自分で物を作ることが嫌いな方」には、佐藤研究室は向いていないかもしれません。

この研究で身につく能力

 佐藤研究室では、Human-Computer Interaction(HCI)分野を軸足に、専門的な考察を重ね、「実空間とサイバー空間をまたぐ革新的な体験」を提唱します。さらに、それらを最速で体験可能な実システムに落とし込み、速いペースで国際的な場での研究発表を行っていきます。これらの過程で、ゼロからアイディアを生み出す能力、それを鋭く研ぎ澄ます能力、アイディアを具現化するソフトウェア・ハードウェアをまたぐプロトタイピング能力、研究の価値・ビジョンをわかりやすく表現し伝える能力、その他様々な能力を身につけることができるはずです。また、この過程で「研究の楽しさ」にも気づくことができれば、研究者の道も開けてくるはずです。

研究室の基本的な指導方針

 佐藤研究室では、最初の目標として初年度での学会投稿(インタラクションやWISSでのポスター/デモ発表)、またSIGGRAPH Emerging TechnologiesLaval Virtual等の著名な国際会議展示部門への挑戦を強く推奨しています。そのため、配属後の早い段階でのテーマ決定と、最短での試作開始のために全力でサポートを行うつもりです。研究テーマは学生の趣味や興味をベースに教員とディスカッション(雑談)を重ねることで決定します。日頃の趣味やこだわりが、面白い研究テーマに繋がるかもしれません。

 また、佐藤研究室では機会があれば積極的に他大学(例えば東京工業大学や電気通信大学、武蔵野美術大学等)と連携して研究を進めていきます。その都度、東京等を行き来する機会もあるでしょう。

佐藤研究室の初年度(M1)の活動内容

 佐藤研究室の最大の特徴として、様々なバックグラウンドを持つ学生さんが基礎的な楽しいものづくり技術を学ぶところからスタートし、自分の研究テーマの立ち上げ、HCI分野の学会に自分のテーマの論文を投稿することを目標にした独自の研究教育プログラムが挙げられます。このプログラムは、他大学の学部生達と連携しつつ、1年間かけて楽しく進めていきます。

  まず、初年度前半では、プログラミング、電子工作、筐体設計と3Dプリンタ等を用いた筐体の設計と試作などなどを含むソフトウェア・ハードウェアをまたぐ基礎的なものづくり技術を集中的に学びます。知識ゼロからの参加を前提としているので、前提知識は不要です。また、理系のバックグラウンドがない方は、この機会を活かして是非様々な知識・考え方を身に着けていってください

  後半には、グループを作ってのハッカソン、HCIを軸足にした短期プロジェクト開発、テーマ決めのための教員を含めたディスカッション、論文サーベイ等を経て、研究テーマ決定まで繋げるグループワークを行います。このグループワークの最終目標は、自分の研究テーマを定め、その尖ったコンセプトを学会のデモ/ポスター発表部門で発表することに繋がり、初年度の12月には情報処理学会シンポジウム「インタラクション」等への投稿を目指します。繰り返しになりますが、これらの一連の教育制度は他大学(電通大IML・武蔵野美術大学等の学部生達)とも連携し、様々なイベントを企画しながら楽しく行っていきます。

佐藤研究室の次年度(M2)の活動内容

  自分の研究テーマがあり、それを楽しく進めていくだけです。前半は就職活動等も並行して続けながら、修士論文執筆に向けたシステムの実装や学会発表を行っていきます。後半はプロトタイプの完成度を高め、自分が提案するシステムの評価手法を考え、評価を行い、論文を執筆していきます。 これらを通して、「研究の楽しさ」を感じてもらえれば幸いです。

Q&Aなど

  • Q: 自分の考えたテーマで研究できますか?
    A: 具体的にやりたいテーマがあることは素晴らしいことです。ただ、研究テーマ決定プロセスは、その人の本質的な興味をベースに、それに関する過去の研究の動向を調べ、教員および先輩等との議論により最終的に決定されます。 そのため必ずしも最初の希望の通りになるとは限りませんが、できるだけ最初の方向性はそのままに、その延長上で研究的な落としどころのある太い研究テーマになるように心がけています。

  • Q: VR(ここではVRゴーグル(HMD)のこと)の研究はできますか?(よく聞かれます)
    A: 佐藤研究室では、HMD等の装置を装着しなくても体験できるものを目指していっているので、今のところHMDを使った研究はそんなに前例がありません。絶対使わないというわけではなく、道具として必要であれば使います。今まであまり使われてなかったのは、装着型デバイスの選択肢がテーマ決定時の議論の中で消えていきやすかったというだけです。

  • Q: AR/MR(ここではシースルー型HMDのこと)の研究はできますか?
    A: これについても、VRゴーグルのときと同様です。

  • Q: エンタテインメントの研究はできますか?ゲームは作れますか?
  • A: エンタテインメントの研究はもちろんできます。ゲームを作るのが好き(or強い興味がある)な方も歓迎します。佐藤研究室では、研究成果をEntertainment Computing系の学会で発表したり、時には東京ゲームショウに出展したりすることもあります。ただ、あくまで佐藤研究室の軸足はHuman-Computer Interactionであることも明記しておきます。
     佐藤研究室では、HCIの文脈で新しいディスプレイ・インタフェース技術を研究し、それを基にこれまでにない体験が可能な新しいインタラクティブディスプレイを開発します。そして、そのアプリケーションとしてエンタテインメント応用、つまりゲーム等のアプリケーションも(もちろんエンタメ以外も含む)開発するということです。
    例えるなら、佐藤研究室はただのゲームソフトメーカーではなく、「人を楽しませること」をHCIを軸足に学問的に追及し、それを土台とした新しいエンタテインメント体験を提案。さらにそのアイディアを自社ハードウェアとして実装し、その上で動くゲームソフトウェアも開発している任天堂のような研究室だと思ってください。

  • Q: メディアアートはやれますか?
  • A: プロジェクションマッピング等で美しいグラフィックスを表示することなどに興味があるのであれば、佐藤研究室でHCIやEntertainment Computingの文脈のもとにいくらでもチャレンジできると思います。

  • Q: メディアアートの最新の研究ができますか?
    A: はい。ただ、気を付けないといけない点として「研究テーマとしてメディアアートをやりたい」 場合は、アート(メディアアート分野)の文脈で研究的な価値(新規性・有用性等)を持たせる(可能であればアートの分野でアウトプットする)必要があるということです。ただ、佐藤にはメディアアートのバックグラウンドがないため(専門ではないということです)、これを担保するためにメディアアートを専門とする先生に研究メンバ(主指導教員は佐藤固定なので外部副指導教員的な感じ)として入っていただく必要があると考えます。
     そこで佐藤研では、近いメディアアートを専門とする著名な先生方とのコラボレーションを行うことで、佐藤研の強みである最新のインタラクティブディスプレイ技術を活かしたメディアアートの最新の研究ができる体制を作ることにしています。

  • Q: プログラミングや電子工作が未経験ですが、大丈夫ですか?
    A: 配属時にプログラミングや電子工作のスキルを問うことはありません(もちろん、スキルがあることは歓迎します)。ただ、テーマ決定後等に、必要に応じて身に着けていく必要はあるため、そのための努力(それが苦にならない程度の興味)は必要になってきます。もちろん、できる限りのサポートを行いますので安心してください(全く経験ゼロでも大丈夫なようにサポートします)。また、研究は完全にチームワークです。信頼できる仲間からのサポート(もちろん実装面でも)はいくらでも受けられますので、安心してください。

  • Q: プログラミングや電子工作が得意ですが、どんなアドバンテージがありますか?
    A: 佐藤研究室はものづくり技術を持っていない学生さんでもものづくりをゼロから学べる機会を設けています。ただ、プログラミングや電子工作、筐体設計(3DCAD)などなど、すでにこれらの技術をある程度習得していたり、趣味やサークル活動等で様々なものを作ったりしてきた方には、持てる技術を120%活かせるうえに、様々なアドバンテージもあります。まず、講習会の前半部分をスキップできるため、その期間を活用して研究テーマを決めてしまうことが可能です。また、テーマ決定後の試作プロセスにもスムースに移行できるでしょう。また、HCIの研究では「ものづくり以外の技術」も様々必要となることから、それらも併せて学ぶことは、ものづくりができる人にとっては特に意味があることだとも考えます。
       そもそも、佐藤研究室でのものづくりは「完成すれば世界最先端(世界初)となる技術」を自分の手で具現化することにほかなりません。自分の持てる技術を120%活かして取り組むこの試作プロセスは寝食を忘れるほど楽しいものです。さらに作ったものを対外的に発表する機会は沢山あり、そこで評価されればまた新しいものが作りたくなるという連鎖が生まれます。一度この状態の楽しさを知ってしまえば、新しい技術の習得も全く苦ではなくなるため、研究者としてのスキルと同時に技術者としてのスキルも格段に伸びていきます。佐藤研究室ではこの連鎖を作り出すことが重要だと考え、様々な専門的なサポートを様々提供していきます。

  • Q: 研究室のコアタイムはある?
    A: 定めていません。24時間365日、好きな時に研究を進めてください(Fabや図書館などなど、JAISTの施設も24時間365日活用できるようになっています)。授業などに加え最低週1回の研究室ミーティングでの成果発表ができれば、いつ研究しても、いつ休んでもかまいません。ただ、個人的な予定を入れる場合は研究室の行事(主にミーティング)を最優先にして他の人に迷惑がかからないようにお願いします。

  • Q: 卒業要件は?
    A: 修士論文を書くこと以外に特にないですが、初年度末に1回のポスター発表、2年目に最低1回の対外発表(口頭発表)ができれば、もうばっちりです。

  • Q: 佐藤研究室に入りたいんですけど(JAIST入学前の学生さん向け)
    A: 佐藤研の新メンバーには、佐藤と事前に十分にお話しする時間をもうけ、JAISTや佐藤研について知ってもらった後に佐藤研配属の意思をかためてもらい、双方で配属の合意を作ったうえでJAISTを受験してもらうことが一番の理想(双方にとって一番のメリット)であると考えています。そのため、佐藤研への進学に興味を持たれた方は、是非一度、直接(オンラインでも可)会いに来ていただければと思っています。
       まずは佐藤宛にメールを送っていただければ、お話する時間を設定いたします。オープンキャンパス等で設定されている個別面談の機会でもかまいません。なお、その際は佐藤研の研究テーマについてこのホームページ等で確認していただき、そのうえで自分がやりたいことの大まかなイメージを頭の中に思い浮かべてきていただけるとお話がスムースに進むかと思います。また必要であれば、是非下記制度の活用も検討してください。

  • Q: 特別選抜入試・配属研究室入学前内定制度について
    A: 研究室の受け入れ可能人数の上限(定員)の関係で、佐藤研を第一志望にJAISTを受験しても、JAIST入学後に佐藤研究室に配属されない可能性もあります。これは可能な限り避けていきたいと考えていますので、佐藤研究室への志望がより明確な場合は(事前に双方合意のうえ)、随時特別選抜」や「推薦入学特別選抜での受験や、合格後の「入学前の配属内定制度」の活用を目指していければと思います。入学前の配属内定があると、4月にJAIST入学後、すぐに研究室での研究がスタートできる等のメリットもあります。
       なお、これらの制度の使用の可否は、佐藤研の研究テーマとの相性や、志望の明確さ、過去の取り組み等々をもとに面談で決定することになっていますので、希望すれば必ず使用できるわけではありません。これについても直接佐藤にご相談ください(次の質問等も参照してください)。
        なお、これらの内定制度を使用しないと佐藤研に配属されないというわけではなく、ケースバイケースですので相談してください(ただ、佐藤との事前コンタクトを行わなかった場合は、配属される確率はかなり低くなると思われます)。また、これらの制度の使用にも枠に限りがあるため、年度後半になると使用できない可能性もあり、可能な限り早めにご相談ください(他の大学院と併願する場合は、他の大学院の結果が出た後にご相談ください)。

  • Q: 配属時の面談や特別選抜入試出願前の面談で有利になることは?
    A: 様々あります。大学での勉強や研究以外で一例を挙げれば、例えば課外活動(趣味のものづくりやサークルでの制作物、ロボコンやコンテストへのチャレンジ等)はとても高く評価したいです。長く(一つのことにこだわりを持って継続的に)取り組んでいることや、ものづくり趣味(プログラミング、電子工作、木工、芸術、手芸、料理、etc…)もあれば是非教えてください。

その他、疑問点などがあれば

 是非、メール(tsato@jaist…)等やオープンキャンパス等で直接相談してください。JAISTの様々な制度を使えば、遠方の方も直接お話をする機会を作りやすくなると思います。